ミュータントタートルズの映画って数多く出ているけど、この作品は他のと比べて何が違う?
アメコミの人気キャラクターに乗じて子供向けに作られた量産型のヒーロームービー?
そんな疑問が浮かんだ、そこのあなたへ!
今作の魅力を結論から言うと…
- エッジの効いた最先端の手書き風アニメーションによるビジュアル
- ティーンならではの若者ノリ(バイブス)の軽快さを全面に出したキャラクター性
- そして作品全体で描くHIPHOPを基盤としたストリートカルチャーの世界観
以上の3点により、他のタートルズ映画とは一線を画す、最高の娯楽アニメーション映画となってます
こちらの作品は、
ストリートカルチャーが好きな人(またはかつて好きだった人)や、
軽快な男の子同士のノリが好きな人は是非見るべきオススメの作品です!
気楽な気持ちで楽しめるので、少し疲れていたりして考える気力がない時にもマッチすると思いますよ!
タフでラフなストリートバイブスで繰り広げる、ティーンエイジャー達によるダサ可愛いニューヨーク冒険譚をビール片手に見ながら楽しんじゃって下さい♪
では作品の詳細レビューをどうぞ↓
作品情報
ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!
ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描き、コミック、ゲーム、アニメ、映画などさまざまなメディアで根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たなビジュアルで映画化した長編アニメーション。
ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロ、レオナルドは、不思議な液体「ミュータンジェン」に触れたことでミュータントとなったカメたちだ。目立つ姿を隠すため地下や路地裏で身をひそめるように過ごしているが、中身は普通の人間のティーンエイジャーと変わらない。学校に行ったり恋をしたり、人間と同じ生活を送ってみたいと願いながら、拳法の達人であるネズミのスプリンターを師匠に、武術の腕を磨いている。ある時、そんな彼らの前に、ハエのスーパーフライを筆頭としたミュータント軍団が現れる。同じミュータントの仲間がいたことを喜ぶタートルズだったが、スーパーフライ軍団は人間社会を乗っ取るという野望を抱いていた。
2023年製作/100分/G/アメリカ
映画.com
原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2023年9月22日
最先端の手書き風アニメーションによるビジュアル
まるでノートの切れ端に書いた手書きのグラフィティアートのような粗さと、油絵やクレヨンのようなソリッドな質感が混じったアニメーション。
様々な質感のイラストを重ねたようなビジュアルは、革新的な表現でアニメーションの次の扉を開いたとされているスパイダーバースを若干彷彿させるようですが、テイストは異なっていて、こちらのほうがニューヨークのベトッとした汚れた感じを強調している様に見えます
後述しますが、その質感が今作の全体的な世界観と上手くマッチしていて、とにかくカッコいいんですよねぇ
動きの線などもコミック的な表現を多様し、タートルズ達の軽快なノリがより体現されているような印象。
リアリティある滑らかな3Dアニメーションとはまた違った良さがあり、自由に躍動するタートルズ達によるアクションは言わずもがな気持ちが良いです。
ティーンならではの若者ノリを全面に出したキャラクター性
子供ならではのダサ可愛いキャラクターがとにかく愛らしい。
作中の随所で繰り広げられる、男の子特有の野郎同士のバイブスだけで通じる会話遊び。
まさにノリだけで成り立っている、中身のないしょーもない会話。やってる本人達は最高に楽しそうだし、見ているこっちも思わずニヤけてしまう程最高のシーンなのですが、残念ながら女の子からは絶対にモテないやつ笑
しかしながら、もはや親心の様にそこもまた可愛く思えてきます笑
今後も健全に育って欲しい!そんな応援をしたくなるような愛すべきキャラクターになっております
また、タートルズ達だけでなくヴィラン達のノリも今回良いんですよねぇ
今作での大ボスとなるスーパーフライの地元の怖い先輩感というか、脇を固めるヴィラン達も端的に言うならみんなおもろいんですよ笑
ホントに登場人物みんなに愛すべきポイントが見えてしまうから、あえて言うならその分カタルシスは少なめ。本当に胸糞悪いクソ野郎って感じのキャラが出てこないからね。
今作は軽快なノリを楽しむ映画なので、クソ野郎をぶっ飛ばすカタルシスを味わうにはまた別の作品がオススメですわ
HIPHOPを基盤としたストリートカルチャーの世界観
作品全体を包むHIPHOPの世界観
前述した手書き風の粗さ+油っぽいベトッとしたビジュアルが、ニューヨークのタフな街の佇まいや喧騒と相まって、ストリートのムードをスタイリッシュに引き立てながらも、HIPHOPカルチャーが持つラフでタフなクリエイティビティによる好奇心に満ちた世界観を具現化しているように感じます
劇中歌で流れるATCQにDELASOULなど、作品世界の中で90’sHIPHOPの乾いたキックとスネアが太く鳴り響くのもマジでたまらない。思わず首を振らずにはいられない。
シンプルなドラムループとサンプリングの組み合わせが結局最強なんですよね。
総じて、ティーンエイジャーの悩みや無垢な好奇心が、HIPHOPカルチャーの創意工夫に満ちたクリエイティブな一面と見事にマッチしており、ストリートカルチャーに興じた青春時代を送った方々にとってはあの時のドキドキやワクワクした感覚をほんのり思い出したりもするのではないでしょうか?
まとめ
最先端のアニメーションとHIPHOPのムードに包まれた、未熟ながら好奇心に溢れた十代のタートルズ(そしてヴィラン達)の、軽快で最高なノリ全開で送る、娯楽アニメーションの良作!
是非ご堪能あれ!カワバンガァ!!
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